家庭で神棚をおまつりするのは、その家庭の幸福と安泰を感謝し、益々の御加護をお祈りするためです。
神様に感謝する心をもった生活は日本古来からの信仰です。
尚、神棚の無いご家庭の場合は、事情により御神札(おふだ)を柱や鴨居などの高いところにお貼りすることも、
大切にする心があれば無礼にはならないでしょう。
神棚をお祭りする場所は、
「清らかで明るく高いところ」「家族が拝みやすいところ」ということが最も大切です。
そして神棚の向きは南向き(人は北に向かって拝む)または東向きが良いとされています。
正式な神棚はまず鴨居などを利用して棚を作ります。
棚の中央に神殿をすえ、扉の正面に鏡、左右に榊や灯明を立てます。
榊は神の宿る木、栄える木です。
日本人は古来、森や大木に神が降りて来られると信じてきました。
そのため現在でも神社は森に囲まれていますし、
境内には注連縄(しめなわ)をめぐらした御神木が数多くあります。
神棚には青々とした清々しい榊をお上げしましょう。
注連縄は、太い方を向かって右にして掛け、四枚の紙重(しで)をつけます。
注連縄はここの中は神聖な所だという区切りになります。
お神札を横に並べておまつりするときは、
中央が伊勢神宮のお神札(神宮大麻)、
向かって右が氏神様、左がその他の神社となります。
ひとつに重ねておまつりするときは
一番表にお伊勢さま、次に氏神様、最後にその他の神社とします。
神棚には毎朝お供え物(神饌・しんせん)を上げます。
神饌は米・神酒・塩・水です。米は洗米か、ご飯のお初、水は毎朝の初水をお供えします。
並べ方は、図を参考にしてください。
珍しい物や四季の初物を頂いた時は、そのつどお供えします。
お供えが終わったら朝の拝礼をします。
拝礼の作法は神社にお参りする時と同じ「二拝二拍手一拝」で行います。
二回深く頭を下げ、両手を胸の高さで合わせ二回拍手を打ち、もう一回深く頭を下げます。
特に誕生日などのお祝いのときは、本人を中心にして家族一緒にお参りするのが良いでしょう。
一年間お守りいただいた古いお神札は、
年の暮れに神棚からお下げして、粗末にならぬよう神社に納めます。
そして神棚には新しいお神札をおまつりします。
これは、新年を迎えるにあたり、生き生きとした新しい生命力を神様からいただくためです。
神社では、古いお神札を、左義長などの浄火で焼納します。
お神札をいただいたら神棚におまつりします。
神様と毎日生活を共にしている意識。これがある家と無い家では、心の安らかさが全く違います。
神棚をはじめ、榊立て・ロウソク立て・三方・お神酒入れ(瓶子・へいじ)・平瓮(ひらが)(小皿)・塩器・水器などの祭器具は、
最寄の神具店で、神棚の大きさにあった物をお求め下さい。